ミノムシと亀
- 2024年1月14日
- 読了時間: 3分
近ごろは朝眠くてたまりません。
お日さまもうつらうつらしている薄暗いなか、布団から出るのにひと苦労しています。
もともと寒いのが苦手で、冬は全体的にのんびりしがち。身体がちぢこまって全然ゆうことを聞かないのです。
それに加えて、なんだか頭もふわっとしている。
ひとつひとつのことを意識しないとうまくできなくて、なにをしようとしていたのかわからなくなります。
そんな自分にやきもきする気持ち半分、もう半分はゆったり過ごす時間にしあわせを感じていました。
予定通りに物事が進まない。
ここまではと思う基準にものが仕上げられない。
以前は「できない」「うまくいかない」がとてもとても嫌なことでした。
悔しくて情けなくて、自分が許せない。
自分で自分にイライラしているので、負の状態から抜け出すにも時間がかかります。
一昨年の初夏。
ある日、だんだん毎日あったことを覚えているのが難しくなっていると気がつきました。
例えば、週明けに土日なにをしていたのか聞かれてもぱっと思い浮かばない。
前日に行った場所、連絡したひとがわからないし、していたとしてもその記憶がない。
最終的には当日のことも時間が経つと覚えられなくなり、朝ごはんはなにを食べたっけ、午前中なにしてたんだろう、とぽっかり抜ける。
思い出そうとしても頭が真っ白になっていました。
その年はとんでもない猛暑で、夏バテか熱中症が原因だったのかもしれません。
いつの間にか少しずつもとに戻りましたが、いまでも頭を霧が覆っているように感じることがあります。
ものの名前が出なかったり、話していると言葉の順番がわからなくなってつまずいたりすることも。
そんな風になってからはできないこと、うまくいかないことばっかり。
つかれはてて自分を怒る力も残っていません。
もうこれはしかたがない。
いまできる精一杯でなんとかしよう。
そう思って、というより思うしかなく、以前よりのろのろになった自分を亀として受け入れるようにしました。
亀モードになってやり方や考え方も変わり、焦らなくなったら気持ちに余裕がうまれました。
無理をすることが減って心身ともに安定するようになったと思います。
なにかに追われ、その正体もわからぬまま早く早くと駆り立てられる感覚。
どうして毎日、あんなに1分1秒を急いでいたのでしょう。
「もったいない」もいき過ぎれば、節約がただのケチになってしまいます。
それは暮らしから豊かさが失われることだとわたしは思います。
亀は冬眠する生き物です。
寒い日に動けないのは当たり前。
布団から首を伸ばしてカーテンの隙間から光が差しこんでいるかチェック。
暗かったら首をひっこめます。
また顔を出して、窓の外が明るくなってゆくのを待つ時間もいとおしい。
冬の終わりはまだ先。
もうしばらく、亀のままでいたいなぁ。

